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大会会長挨拶

第38回テニス学会 大会会長
日本大学文理学部

水落 文夫 特任教授

 陽光が全身を心地よく包み込む秋のテニス日和に,日本テニス学会第38回大会が,日本大学文理学部で開催されますこと,お祝いを申し上げますとともに,心より嬉しく思います.
 日本テニス学会と日大文理は長く縁を繋いでおり,第25回大会以来2回目の開催になります.私どももテニス研究会の時代から会に参加させていただいています.その頃から,テニスに関連する基礎研究に限らず,テニスをする/関わる多様な人たちを巻き込み,異種領域を受け入れながら,実践の場にどう役立てるかという知見提示を理念とすることに共感していました.
 私は冬季スポーツが専門で,研究もサポートもその方面だったのですが,ある指導教員に半ば強制でテニス研究会に入会させられテニス研究を始めました.テニス経験がない素人会員の研究を受け入れ,学会発行の著書で紹介していただき,さらにテニス研究の動向とアイデアを提供していただいたことを今でも感謝しています.オンコート発表という手法もユニークで,その徹底した意図の実現も新鮮でした.ただ,恒例のテニス大会(ダブルス)で,見事0対24(つまり1ポイントも取れず)で1回戦負けした記憶は鮮明です.相手の方はインカレ覇者だったように記憶しています.手加減されていたと今更に思いますが,当時は心のこもった容赦ない対応に,テニス研究会の恐ろしさを感じたものです.
 日本大学は,大学自体がスポーツ競技者育成に積極的で,多くのエリート競技者を輩出しています.最近は,文理学部だけでなく新設のスポーツ科学部でも,多彩なスポーツ種目の選手に競技と教育の場を提供しています.また,文理学部はもともと教員養成を使命として開学しており,中学高校の教科に対応した人文系・社会系・理学系の3系統18学科で構成されています.まさに総合的・学際的な地盤のもと,キャンパスには多種多様な専門性と考えをもつ学生と教員が集っており,随所に面白さを感じます.その一つである体育学科は,とりわけ教員養成の色彩が強く,スポーツを教材とした教科教育の研究も盛んです.
 スポーツとの関わり方は「する」「みる」「ささえる」ことと多岐ですが,これらを独立して扱うだけでなく,テニス学会はこれらを融合させて成果の実用を目指す場になっていると思います.その学際的な様相は文理学部の雰囲気と相容れる居心地の良さを感じます.そして,この文理学部で開催される学会大会が,学会員の皆様の研究成果を公表する良き場となり,そのことがテニスとその価値を正しく「しる」ことを社会に促し,健全なテニス文化・スポーツ文化の発展に寄与する機会になることを願っています.